2026-03

オリジナルストーリー

精進が足らんよ

道場に響く気迫の声。竹刀の打ち合う音。踏み込みの足音。それらは私(越嶌理沙)には心地よい音楽のようだ。顧問の先生の「止め!」という声と共に一斉に静まり返る瞬間も好きだ。最後に地稽古を行う。お互いに何を打つかを決めない、試合のような形式で行う...
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降車ボタンを押すモノ

俺(水瀬優弥)が、高校一年生のときの出来事。その最終バスに乗ったのは、交通事故に遭って入院している母方の叔父の見舞いに、秋の連休を利用して行った帰りだった。本当は妹の優香も行くはずだったのだが、急に所属している軽音楽部から集合がかかり、俺一...
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お部屋の隅のお婆ちゃん

(だれだろう? あれ)幼稚園のお部屋の隅にいつもいる。朝からおうちに帰るまで、ずっと立っている。もやもやと白い煙に包まれたお婆ちゃん。先生に「あのお婆ちゃんだれ?」と訊いても「なにを言ってるの?」と首を傾げる。ほかのお友達に訊いても「なんの...
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理解不能で問題なし

高校一年の夏休みの出来事だ。俺(水瀬優弥)は読書が好きだった。ネット通販は便利だが、実店舗で本を手に取って興味のある内容を選んだり、新たな分野を開拓するほうがワクワクする。八月に入ってすぐに自宅から徒歩で二十分ほど離れた場所に、大型書店が新...