不思議な話

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天井裏から愛を込めて

部屋のドアがガチャリと開く。僕は息を潜めて、入ってきた部屋の主を眺めた。白いブラウスがとてもよく似合っている。彼女はひと息ついてからドレッサーに座った。なにかいいことでもあったのだろうか、鏡に映った愛らしい唇には笑みが刻まれている。化粧を落...
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再訪

ふと目が覚めた。薄暗い天井を見てどきりとする。ああ、そういえば寝てたんだっけと思い出す。お昼ご飯を食べた後。数学の公式集をパラパラと捲っていたのだけど、眠くてどうしようもなかったので、ちょっとだけ仮眠するつもりでベッドに横になったのだった。...
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レイヤー

高校二年の夏休みも残り少なくなったある日。俺は西日本の中心都市にいた。小学生のころからずっと仲のいい昌隆という友人がいた。昌隆は親の仕事の都合で中学二年のとき、引っ越していった。それでも付き合いは続いており、たまに連絡を取り合っていて、『夏...
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オールシーズン

中学二年の夏休み。友人の佳奈と映画を観にいった、その帰り。ちょっとお腹空いたねということで、ファストフード店に入った。「怖かったねー」「うん、そうだね」観にいったのは、話題になっていた邦画ホラーだった。「主人公が廃屋に隠れてたとき、呪文が聞...
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霊視者たちの戦慄

高校二年のゴールデンウィーク明け。そろそろ中間試験も近づいてきているので、ぼちぼち勉強しなきゃな、と思いつつ、ノートPCで動画サイトを眺めていると。「お兄ちゃん、ちょっといい?」「あー、いいよ」妹の優香が部屋へ入ってくる。「お、ちょうどいい...
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月下の道しるべ

中学二年になって間もないある日の下校中。家の近所の住宅街に入ってしばらく歩いた十字路の真ん中に、幼稚園くらいの男の子が立っていた。見てすぐにわかった、(この子、生きた人間じゃない)と。私は幼いころから、この世のものでない存在を視たり感じたり...
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落ちてくる男

俺(水瀬優弥)が高校一年生の時の話。そろそろ高校生活にも慣れてきた、初夏に入った日の通学途中。なんとなく気になって見上げると、ビルの屋上に人影が立っていた。思わず立ち止まり、後ろから歩いてきたサラリーマンがぶつかりそうになって、舌打ちをしな...
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回廊の家

俺(南川圭介)は売れない物書きだ。一応ホラー作家だが、それだけでは食えないので別ペンネームで官能小説を書いたり、一文字一円からの副業webライター、月の支払いが苦しいときには派遣や日雇いのバイトとなんでもこなす。そんなだから、三十歳になって...
不思議なお話

柱の焦げ跡

これも私が三歳の頃の記憶です。朝、起きると母親に、「昨日の晩、そこで火事があったんだよ」と言われたのです。そこ、と指を差した所に部屋の柱があり、小さく焦げた跡のようなものがあったので、昨夜、この柱から火が出て、消防士の人が消しに来たんだ、と...
不思議なお話

瞬間移動する蛍光管

これも私が三歳ぐらいのお話なので、キラキラしたものを見ていたときと同時期になります。これは夜や、昼寝などで、布団に入って横たわっている時に、時折見えたものです。形は角丸長方形にふたつの足(?)が、ついていて、それが細長い、今で言うLEDライ...