また、いつかね

オリジナルストーリー

誰にでも人生の中で『忘れられない人』が必ず、ひとりやふたりはいるものだ。
その人のことを思うとき、懐かしかったり、楽しかったり、そして悲しかったりと、いろんな感情が呼び起こされるだろう。
いまから僕の『忘れられない人』の話をしようと思う。

僕は小学生のとき、毎年、夏休みは父方の祖父母の家へ、十日間くらい泊まりに行くのが恒例となっていた。
祖父母の住んでいる所は、海も近くて山もある、という土地だった。
真っ青な空にむくむくと広がる入道雲、紺碧の海、群れ立つ樹木の匂いや、
草いきれ、蝉の大合唱、山と海を真っ赤に染めた夕陽が沈んでいく地平線、満天の星。
都会で生まれ育った僕には、物語の中に出てくる別世界に思えたものだ。
僕は子供の頃は、引っ込み思案でおとなしく、外で遊ぶよりは家で本を読んだり、
ゲームをするほうが好きだったけれど、祖父母の家に来た時だけは、
海で泳いだり、山で虫を追ったりと、かなりアクティブに動いていた。

そう、僕は毎年楽しみにしていた。
あの別世界に飛び込める夏を。
そして、なによりも。
物静かで優しく、とても綺麗な人に会えることを……。

その人と初めて会ったのは、僕が小学校三年生の夏。
その日、近くの山に虫捕りにいったのだけど、あまりの暑さに辟易して、早めに切り上げてきたのだ。
ポケットに入れていたスーパーボールを、ポンポンと道に弾ませて手に受け止めつつ歩いていると、
跳ね返ったボールが急に軌道を変えて、近くの家の庭に飛び込んでしまった。
「あ、やっべ……」
田舎で、大きな庭がある日本家屋が当たり前だったのだが、その家はひときわ大きく立派だった。
生垣を回り込んで、門から中を覗き込んでいると、
「どうしたの、なにかご用?」
と、声がした。
見ると、その家の二階の窓から、女の人がこちらを見ていた。
「すいませーん、スーパーボールが庭に入っちゃって……取らせてもらっていいですか?」
僕は両手をメガホンのように添えて答えると、女の人も手を口に添えながら、
「いいよー、どうぞ」
と、言ってくれた。

「お邪魔しまーす」と、庭に足を踏み入れた。
広い庭は芝生が張られていて、小さな立木もいくつかあった。
少し時間がかかったが、目立つカラフルなボールだったので、なんとか見つかった。
ボールをポケットに押し込み、礼を言おうと窓を見上げると、女の人の姿はなかった。
「ボール、あった?」
気づくと、女の人が、庭に面した縁側に立って僕を見ていた。
涼しげな浅葱色のワンピースを着ていて、ほっそりとして背が高く見えた。
「はい、見つかりました、ありがとうございました」
ぺこりと頭を下げて、踵を返そうとすると、
「あなた、佐藤のお爺ちゃんの家に遊びにきてる男の子よね」
と、口角を上げて笑う。大きな瞳と赤い唇が印象的だった。
「は、はいッ、佐藤ユウジといいます、こんにちは!」
ちょっとドギマギして頭を下げた。
「こんにちは、私は中村ミカといいます」
そう言って頭を下げると、くすっと笑った。
綺麗な人だなあ、と見とれてしまい、そんな自分が恥ずかしくなって、
「お、お邪魔しました」
言って、庭を出ようとする僕に、
「ね、喉乾いてるでしょ、冷たい麦茶でも飲んでいったら?」
ニコニコと手招きをする。
会ったばかりの人にお茶をご馳走になるなんて……と一瞬躊躇したけど、喉が渇いていたし、
もう少し、この綺麗な人と話をしていたいと思った。
それがミカ姉ちゃんとの出会いだった。

縁側にふたり並んで座って、冷たい麦茶を飲みながら、お互いの自己紹介をする。
ミカ姉ちゃんは、そのとき14歳の中学二年生で、小学三年の僕にはとても大人に見えた。
笑うたびに白い歯がひらめき、黒いショートボブの髪が、さらさらと揺れてドキドキしてしまう。
学校のこととか、好きな本やテレビの話をした。
「そろそろ帰らないと、お爺ちゃんお婆ちゃんが心配しちゃうね」
一時間くらい経って、ミカ姉ちゃんがそう言ったけど、僕はもっと話していたかった。
でも、長居するのも迷惑かもしれないと思い、
「はい、じゃあ……」
名残惜しげに庭に降りる。
ミカ姉ちゃんは日傘を差して、門の所まで見送ってくれた。
その時、思い切って、
「また遊びに来てもいい?」
と訊いてみた。
ミカ姉ちゃんは、ちょっと目を瞠ってから、
「うん、いいよ」
首を傾げて、クスッと笑ってくれた。
帰りの道中は、なんだか胸の奥がムズムズして、わぁーッ、と叫びながら走り出したいような気分だった。
あれが僕の初めてのひとめ惚れ、そして初恋だったのだ。

その翌日、すぐに遊びに行きたいのを我慢した。
なんだか図々しいような気がして恥ずかしかったのだ。
一日置いて、ミカ姉ちゃんの家の行き、呼び鈴を押したが応答はなかった。
二階の窓もカーテンが閉じたままだ。
(留守かあ……)
がっかりして、道具を取ってきて虫捕りにでもいこうかな、と来た道を戻っていると、前から車が走ってきた。
狭い道路なので、通り過ぎるのを待とうと、端に寄って立ち止まる。
だが、その車は僕の目の前で停車し、ウインドウがするすると下りた。
助手席でミカ姉ちゃんが手を振っていた。運転しているのは、どうやらミカ姉ちゃんのお母さんらしく、顔立ちがよく似ている。
「ユウジくん、遊びに来てくれたの?」
ミカ姉ちゃんはニコニコしながら言ってくれたが、お母さんの前で「そうだよ」と言うのが何だか恥ずかしかった。
「あ、そのー」ともじもじしていると、ミカ姉ちゃんはお母さんと、二言三言、言葉を交わした。
「ミカのお友達ね、どうぞいらっしゃい」
お母さんもにっこり笑って頷いてくれた。

ミカ姉ちゃんの部屋は白を基調とした、清潔でいい匂いがする部屋だった。
大きな本棚に、本がぎっしり詰まっている。
一昨日話した時に本が好きだと聞いていたので、僕と同じだな、と嬉しかったのだが、
これほどの本を持っているとは思わなかった。
お母さんが持ってきてくれたお菓子を食べてジュースを飲みながら、本の話をたくさんした。
楽しく笑って話していたけど、「今日はお母さんとどこかに行ってたの?」と僕が聞いた時は「うん、ちょっとね」と言っただけだった。
ミカ姉ちゃんは絵本が好きで、綺麗な絵が載っている本をいくつも見せてくれて、僕はいま読んでいる、冒険小説のあらすじを聞かせてあげた。
帰る時に「またおいでね」とミカ姉ちゃんは言ってくれ、僕は「うん!」と返事をした。
帰り道の足取りが軽く、空も飛べそうなあの感じ、今でも忘れない。

それから、毎年、夏にこっちへ来た時は、必ずお姉ちゃんに会いに行った。
家に帰るときは『また来年ね』といって別れた。
ただ、僕とミカ姉ちゃんがよく会っていることを聞いたお祖父ちゃんに、
「田中さんところのミカちゃんは、あまり体が丈夫じゃなくて病院へ通ってるんだから、あまり疲れさせちゃダメだぞ」
と言われた時、今まで気になっていたことがわかったような気がした。
ミカ姉ちゃんは夏休みなのにいつも家にいて、肌も抜けるように白かった。
庭に出るときも日傘を差していたし、太陽の光にあたってはダメなのだろうか?
お母さんの車に乗っていたあの日、どこに行っていたのかをミカ姉ちゃんがはっきり教えてくれなかったのは、病院からの帰りだったからだろう。
どこか悪いのだろうか、なんの病気なんだろうか……。
ミカ姉ちゃんがとても儚くて、すぐに毀れてしまいそうな存在に思えた。

だから、6年生の夏にミカ姉ちゃんが夏祭りに行こうよと、誘ってくれた時は、すごくうれしかったけど、同時に心配もした。
「でも外に出て、たくさん歩いても大丈夫なの?」
そう口に出すと、ミカ姉ちゃんは、
「ああ、知ってたんだ……」
と、微かに笑った。それまで僕は彼女が病弱だということを知らないふりをしていたのだ。
「あの、ごめん……」
「ふふ、いいよ、謝らなくても……ちょっとね、ここが」
そう言って左の胸のあたりを押さえた。
「私のは不良品なんだって」
「不良品……」
ミカ姉ちゃんの手の位置から、心臓が悪いのだと察しがついた。
とても重い病気なんだろうか……自分の心臓の鼓動がちょっと早くなるのを感じた。
「でも大丈夫だよ、調子が悪くなったら、病院でお薬をもらえば直るし、お祭りは夜だから、お日さまは出てないし」
ミカ姉ちゃんが、ちょっと首を傾げて笑った。
屈託のない笑みを見て少し安心する。
「わかった。じゃ、いこう」
僕は胸がじんじんするような喜びを抑えきれずに笑ってなんども頷いた。

その夜、浴衣を着てきたミカ姉ちゃんはとても可愛くて綺麗だった。
夜店を回り、一緒に花火を観た。
まるでデートじゃん、と終始ドキドキしっぱなしだった。
『好き』とか『恋をする』という感情を、はっきり理解したのが、あの夜だったと思う。

そして次の年の夏休み、中学生になったのにまだ行くの? と親に揶揄されつつ祖父母のところへ行くと、ミカ姉ちゃんの家は空っぽになっていた。
「ミカちゃん、外国のいい病院へ入院することになってねえ、家族ごと引っ越したんよ」
祖母に聞かされた時は呆然としてしまった。
「でね、これユウくんにって」
渡されたのは、ミカ姉ちゃんが一番好きだと言っていた『星のお王子さま』の絵本と、封筒だった。手紙には、本の話が面白かったとか、一緒に行った夏祭りはすごく楽しかったね、とか書かれていて、最後に、
『元気になって帰ってくるからまた会おうね』
と、結ばれていた。

その年の夏は、何をして過ごしたのか覚えていない。
中二の夏は惰性で行ったけど、三日間滞在しただけだった。
中三の夏は受験生ということで行かなかった。
ミカ姉ちゃんが帰ってきたら連絡してよね、と祖父母に頼んでいたが嬉しい報せはこなかった。

次に祖父母の家へ行ったのは、高校二年の秋、祖父が亡くなった時だった。
その年の夏に倒れて入院し、お見舞いに行こうとしていた矢先の出来事だった。
祖父母の家に大勢の親戚が集まり、おじやおばたちも忙しそうに立ち働いていた。
いとこたちとも久しぶりに会えたけど、やはり集まった理由が理由なので素直に喜び合えない。
通夜と告別式が終わり、仕事の関係で長くいられない親戚が次々と帰っていく。
最後まで残ったのは、僕の家族だった。父母が独りになった祖母と、最後の後片付けなどをしている。
僕らも明日の昼前にはここを発つ。

なんとなく一人で家を出て、近くをぶらぶらと歩いた。
ミカ姉ちゃんの家にも行ってみたが、もう別の苗字の表札がかかっている。
いつのまにか海に足を向けていた。
砂浜に座って夕陽が沈んでいく地平線を眺めていると、楽しかった子供の頃が思い出された。
帰りたくないなあ……。
そっと溜息をつく。

高校一年の終わりごろから憂鬱な日々が続いていた。
きっかけは些細なことだった。おとなし過ぎてノリが悪いと言われた覚えがある。
いや、もうなにが悪かったのかもわからない。
気づくと、僕はいわゆる『苛められっ子』になっていた。
暴力はなく、無視されたり持ち物を隠されたりという陰湿な苛めだ。
二年生になっても、それは続いた。
夏休みが終わるのが嫌で仕方がなかった。
祖父が亡くなったのは悲しいけれど、学校を休める事にどこかホッとしていた。
それも明日までだ、明後日からまた憂鬱な毎日が始まる。
このまま海に沈んでしまえば楽になれるのだろうか……。
立ち上がって、一歩一歩海に近づく。
本気で実行しようとしたわけではない、と思う。

「ユウくん」
背後から声をかけられた。振り向く。そこに立っていたのは……。
「え?」
懐かしい笑顔を浮かべて、僕の初恋の人が立っていた。
「ミカ姉ちゃん! どうしたの?」
「久しぶり、元気だった? お爺ちゃんはお気の毒だったね」
「あ、それで……来てくれたの?」
「うん、さっきご挨拶してきたよ、お母さんに聞いたら、ユウくんは海の方にいるんじゃないかなって言ってたから」
そうなんだ……お母さんにはちょっとそのへんを歩いてくると言っただけなんだけど……まあ、このあたりで行く場所なんて、限られてるからなあ。
いや、それよりも……。
「ミカ姉ちゃん、体はもういいの? 外国の病院へ入院したって聞いたけど」
「うん、もうすっかり良くなったよ、何も言わずに行っちゃってごめんね」
「ううん、僕は夏しかここにはいないからね、ミカ姉ちゃんは悪くないよ……でも変だなあ、お祖母ちゃんたちにミカ姉ちゃんが帰ってきたら報せてって頼んであったのに」
僕はちょっと不満を漏らす。
「帰ってきてまだそんなに日が経っていないから……ごめんね、連絡できなくて」
「えッ、そうだったんだ……いや、ミカ姉ちゃんは悪くないってば。お祖父ちゃんの具合も良くなかったし、お祖母ちゃんも大変だったろうしね」
僕が慌てて首を振ると、ミカ姉ちゃんは首を傾げてクスッと笑った。
ああ、変わってないなあ……ほんとにあの人が僕の目の前にいるんだ、と実感した。

ふたり並んで、水平線を見やる。
ミカ姉ちゃんは「キレイだねー」と、夕陽を眺めてそう言った。
うん、と頷いて僕はミカ姉ちゃんに視線を向ける。
ミカ姉ちゃんの肌は、相変わらず抜けるように白くて、赤い夕陽にとても映えた。
僕の背が、ミカ姉ちゃんをすっかり追い越していることに気づく。
ミカ姉ちゃんも気づいたみたいで「大きくなったねー」と笑う。
ほら、と体を寄せてきて、肩の高さを比べた。
距離の近さと、かすかに薫るいい匂いにどきりとする。
たくさん話したいことはあるのに、胸がいっぱいになってしまって、うまく言葉が出てこない。
あの頃はいくらでも話せたのに……。
「学校はどう?」
ミカ姉ちゃんがいきなり訊いてきた。きりっと胸が痛む。
「ん……まあまあ、かな」
「そう……」
ミカ姉ちゃんはちょっと首を傾げて笑って、海へ視線を向けた。
本当のことなんて言えるわけがない。苛められていて、毎日が憂鬱で、このまま海に沈んでしまいたい、なんて……。
「もし辛いことがあってもね」
その言葉にハッとしてミカ姉ちゃんを見た。
ミカ姉ちゃんは、夕陽を見つめたまま続けた。
「それは今だけだから。長い人生のほんの二、三年だけのことだから、今がすべてと思わないで」
そんな言葉が、胸の柔らかいところに沁み入ってくる。思わず唇を噛んだ。目の奥がくすぐったくなる。
ミカ姉ちゃんが僕を見て、そしてやっぱり首を傾げて微笑んだ。
「大丈夫だから。この先、楽しいことがいっぱい待ってるんだからね」
喉の奥からしゃくりあげるような声が出た。涙がボロボロこぼれた。
ミカ姉ちゃんの手が、優しく僕の頭を撫でた。
声をあげて泣いた、小さな子供みたいに。
毀れそうな細い肩に、顔を埋めて泣いた。
ミカ姉ちゃんの細い腕が、そっと僕の背中を撫で続けてくれていた。

もうずいぶんあたりは薄暗くなっていた。
肩を並べて、海岸沿いの道を歩いた。
ミカ姉ちゃんの前で泣いたら、なんだかスッキリした。
また学校へ行ったら憂鬱な日が始まるけど、永遠に続くわけじゃないんだ。
高校だって、あと一年ちょっとで卒業だ。
「ミカ姉ちゃんは、今日帰っちゃうの?」
「うん、もうあの家は人手に渡っちゃったからね、今はここから離れた街に住んでるの」
「そう……」
まっすぐ歩けば、祖父母の家に続く道の前で、ミカ姉ちゃんは立ち止まった。
「じゃ、私こっちへ行くね」
「え、寄っていかないの?」
「うん、ご挨拶は済ませてきたし、バスの時間があるから……今日はホテルに部屋をとってあるの」
「そっか……」
ふたりで向き合うと、ミカ姉ちゃんを見おろす形になった。
こんなにちっちゃかったんだ……いや、僕が大きくなったのか。
「また会えるよね?」
僕が訊くと、ミカ姉ちゃんは首を傾げて笑った。
「それじゃ、元気でね」
「うん、ミカ姉ちゃんも……またね」
手を振って、僕たちは左右に分かれた。
今度会った時、僕はあなたのことが好きです、って言おう、と思った。

それから三年経った。
僕は大学生になっていた。
友達もできたし、勉強に、バイトにと、忙しくも楽しい日々を送っている。
辛い高校生活だったけど、過ぎてしまえばなんてこともない。
あの日、ミカ姉ちゃんに会っていなかったら、今の僕はなかったかもしれない。
そして、あの日以来、僕はミカ姉ちゃんと会っていない、いや、会えないのだ。

あの日、祖母にミカ姉ちゃんに会ったよと言ったら驚いていた。
ミカ姉ちゃんは、僕が中学三年生の時に亡くなっていたのだという。
外国の病院で手術を受けて、一旦は成功したのだけど、容体が急変したそうだ。
祖父母は、受験前の僕を動揺させないように報せないでおこう、と決めたらしい。
そして、言い出せないまま、祖父が亡くなってしまって……。
にわかには信じられなかったが、祖父母宅に届いていた訃報の葉書は、確かにミカ姉ちゃんがもうこの世界からいなくなってしまったことを報せていた。

ミカ姉ちゃん、僕に自分がもうこの世にいないことを、しらせないように気を遣ってくれたの?
ミカ姉ちゃん、僕のことを励ますために戻ってきてくれたの?
そういえば、おかしな点はいくつもあった。
なぜ、僕はミカ姉ちゃんをバス停まで見送らなかったのか。
なぜ、新しい住所を訊かなかったのか。
なぜ、携帯電話の番号も訊かなかったのか。
そして、「また会おうね」と言った僕に、ミカ姉ちゃんが「うん」と言わなかったことにも気づかなかった。

僕は、あれからたくさん泣いたよ。
もうミカ姉ちゃんに会えなくなってしまったことに。
もうミカ姉ちゃんに好きだって言えなくなってしまったことに。

だから僕は、これからも頑張って生きるよ。
ミカ姉ちゃんが、応援しにきてくれたんだもんね。
そして、またいつか、ミカ姉ちゃんに貰った『星の王子さま』を一緒に読もうよ。

また、いつかね。

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