私が三歳ぐらいのお話です。
その頃両親と三人で、長屋のようなアパートで暮らしていました。
部屋は六畳の和室が二つ、あとは小さなキッチンとトイレ風呂があるだけという質素な間取りでした。
一つがご飯を食べる部屋、そしてもう一つがテレビを観たり三人で寝る部屋でした。
その寝室にしていた部屋の隅に、ラグビーボールくらいの大きさの白っぽいモヤのようなものが現れるのです。
モヤの中に赤青黄色紫緑といった小さな点のような光がキラキラと光っていました。
朝昼夜と、時間に関係なく現れ、数秒か長くても数分で消えてしまうのです。
私はいつも「なんだろう?」と思っていましたが、両親には見えていませんでした。
定かではありませんが、妹が生まれてから、だんだんと現れなくなっていった記憶があります。
その後、すぐ引っ越したのですが、新居では現れることはありませんでした。
あれは一体何だったのだろうと、今でもときどき思い出します。