不思議な話

オリジナルストーリー

精進が足らんよ

道場に響く気迫の声。竹刀の打ち合う音。踏み込みの足音。それらは私(越嶌理沙)には心地よい音楽のようだ。顧問の先生の「止め!」という声と共に一斉に静まり返る瞬間も好きだ。最後に地稽古を行う。お互いに何を打つかを決めない、試合のような形式で行う...
オリジナルストーリー

お部屋の隅のお婆ちゃん

(だれだろう? あれ)幼稚園のお部屋の隅にいつもいる。朝からおうちに帰るまで、ずっと立っている。もやもやと白い煙に包まれたお婆ちゃん。先生に「あのお婆ちゃんだれ?」と訊いても「なにを言ってるの?」と首を傾げる。ほかのお友達に訊いても「なんの...
オリジナルストーリー

理解不能で問題なし

高校一年の夏休みの出来事だ。俺(水瀬優弥)は読書が好きだった。ネット通販は便利だが、実店舗で本を手に取って興味のある内容を選んだり、新たな分野を開拓するほうがワクワクする。八月に入ってすぐに自宅から徒歩で二十分ほど離れた場所に、大型書店が新...
オリジナルストーリー

夕闇に消えた友達

私の祖父から聞いた話。昭和40年代、小学校低学年だった祖父の家の周囲には、空き地やら雑木林がたくさん点在していた。そのなかでもすこし大きめの雑木林には、ある噂があった。昭和初期の頃、そこで女性が自ら命を絶った。それ以来、女性の霊が雑木林内を...
オリジナルストーリー

姉の声

私が小学4年生の時の話。両親が田舎の法事に出席するので、当時高校生の姉・優子が夕食を作る事になった。夕方、居間でテレビを見ていると、庭から、ザク、ザク──と、玉砂利を踏む足音がし、「優子だよ、開けて」と、姉の声がした。見ていたのは私の大好き...
オリジナルストーリー

天井裏から愛を込めて

部屋のドアがガチャリと開く。僕は息を潜めて、入ってきた部屋の主を眺めた。白いブラウスがとてもよく似合っている。彼女はひと息ついてからドレッサーに座った。なにかいいことでもあったのだろうか、鏡に映った愛らしい唇には笑みが刻まれている。化粧を落...
オリジナルストーリー

再訪

ふと目が覚めた。薄暗い天井を見てどきりとする。ああ、そういえば寝てたんだっけと思い出す。お昼ご飯を食べた後。数学の公式集をパラパラと捲っていたのだけど、眠くてどうしようもなかったので、ちょっとだけ仮眠するつもりでベッドに横になったのだった。...
オリジナルストーリー

レイヤー

高校二年の夏休みも残り少なくなったある日。俺は西日本の中心都市にいた。小学生のころからずっと仲のいい昌隆という友人がいた。昌隆は親の仕事の都合で中学二年のとき、引っ越していった。それでも付き合いは続いており、たまに連絡を取り合っていて、『夏...
オリジナルストーリー

オールシーズン

中学二年の夏休み。友人の佳奈と映画を観にいった、その帰り。ちょっとお腹空いたねということで、ファストフード店に入った。「怖かったねー」「うん、そうだね」観にいったのは、話題になっていた邦画ホラーだった。「主人公が廃屋に隠れてたとき、呪文が聞...
オリジナルストーリー

霊視者たちの戦慄

高校二年のゴールデンウィーク明け。そろそろ中間試験も近づいてきているので、ぼちぼち勉強しなきゃな、と思いつつ、ノートPCで動画サイトを眺めていると。「お兄ちゃん、ちょっといい?」「あー、いいよ」妹の優香が部屋へ入ってくる。「お、ちょうどいい...