オリジナルストーリー

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少年と鴉

高校三年の夏休みも後半。所属していた剣道部は夏の大会を最後に引退した。試合結果は少し残念だったけど、全力を出し尽くしたので悔いはない。あとは大学受験に向けて精励恪勤するだけだ。予備校の帰り。自習室で最終まで粘ったのでずいぶん遅くなってしまっ...
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黄泉比良坂(よもつひらさか)

高校二年の夏休み。俺は所属している剣道部の夏季合宿に参加していた。宿泊所は郊外のひなびた町にある神社の宿坊で道場も併設されている。宿坊は小高い山の上にあり、周囲は町に囲まれているのだが、西の方角は雑木林が広がり、川が横たわっている地形だ。な...
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霊視者たちの戦慄

高校二年のゴールデンウィーク明け。そろそろ中間試験も近づいてきているので、ぼちぼち勉強しなきゃな、と思いつつ、ノートPCで動画サイトを眺めていると。「お兄ちゃん、ちょっといい?」「あー、いいよ」妹の優香が部屋へ入ってくる。「お、ちょうどいい...
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月下の道しるべ

中学二年になって間もないある日の下校中。家の近所の住宅街に入ってしばらく歩いた十字路の真ん中に、幼稚園くらいの男の子が立っていた。見てすぐにわかった、(この子、生きた人間じゃない)と。私は幼いころから、この世のものでない存在を視たり感じたり...
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因果応報

高校二年の二学期。年の瀬も近づいたある寒い朝のこと。「はあ……間に合うかなー」私は白い息を吐きながら独りごちた。いつも駅までは自転車なのだけど、今朝いつものように乗ろうとしたら、タイヤの空気が完全に抜けていた。パンクしたのだ。ここ最近、タイ...
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レインコートの女

友達の家へ遊びに行った帰りだった。『それじゃ優香、気をつけて帰りなね』「ありがと、また明日ね」別れてからもまだ話し足りなくて、携帯で友達とお喋りしていて、やっと切ったところだ。空は太陽の名残が微かに残っているだけで、周囲は夕闇に包まれている...
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公園の女

高校の登下校の途中に、駅から自宅までに児童公園があった。そこを通るとショートカットできるので、いつも通り抜けていた。日がかなり短くなってきた一年生の二学期半ば頃。その日は所属している剣道部の練習で少し遅くなり、すでに陽は落ちて暗くなっていた...
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出るという民宿

高校一年の夏。所属している剣道部の初めての合宿でのこと。スポーツセンターの道場を借りての四泊五日のスケジュールだ。宿泊するのはスポーツセンターから徒歩五分ほどの民宿だった。合宿とはいえ、やはり泊まりがけでどこかへ出かけるという、非日常体験は...
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落ちてくる男

俺(水瀬優弥)が高校一年生の時の話。そろそろ高校生活にも慣れてきた、初夏に入った日の通学途中。なんとなく気になって見上げると、ビルの屋上に人影が立っていた。思わず立ち止まり、後ろから歩いてきたサラリーマンがぶつかりそうになって、舌打ちをしな...
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回廊の家

俺(南川圭介)は売れない物書きだ。一応ホラー作家だが、それだけでは食えないので別ペンネームで官能小説を書いたり、一文字一円からの副業webライター、月の支払いが苦しいときには派遣や日雇いのバイトとなんでもこなす。そんなだから、三十歳になって...