オリジナルストーリー

みいつけた

私には不思議な記憶があった。小学校に上がる前、同い年くらいの仲良しの女の子がいた。あれは誰だったっけ……あんなによく遊んだのに、幼稚園や小学校に、その子がいた記憶はない。卒園や卒業アルバムを見ても、その子はいなかった。いつから、顔を見なくな...
不思議なお話

赤い服の女の子

私が小学4年生の時の話の話です。その日は宿題が多く、夕ご飯の後も引き続き、自室で机に向かっていました。満腹のためか睡魔が襲ってきて、いつの間にかウトウトしていたのです。私は夢の中でも宿題をしていました、ただし学校の教室、授業中です。早くやら...
オリジナルストーリー

『視える』ということ

(全くついていない……)俺はため息をついてソファに寝転がったまま、ベランダのサッシ越しに空を見上げた。清々しいほどの青空が広がっていて、刷毛ではいたような薄い雲が浮かんでいる。ちょっと体の位置を変えようとして――腰に走る痛みに顔をしかめた。...
オリジナルストーリー

また、いつかね

誰にでも人生の中で『忘れられない人』が必ず、ひとりやふたりはいるものだ。その人のことを思うとき、懐かしかったり、楽しかったり、そして悲しかったりと、いろんな感情が呼び起こされるだろう。いまから僕の『忘れられない人』の話をしようと思う。僕は小...
オリジナルストーリー

エレベーターの女

数年前に体験した話だ。その頃、付き合っていた彼女は稼ぎがわりと良く、二十代の独身女性にしては、結構いいマンションに一人暮らしをしていた。週末は、よく彼女の部屋で過ごしており、その日も土産のワインを片手に向かった。少し仕事が立て込んで残業した...
不思議なお話

柱の焦げ跡

これも私が三歳の頃の記憶です。朝、起きると母親に、「昨日の晩、そこで火事があったんだよ」と言われたのです。そこ、と指を差した所に部屋の柱があり、小さく焦げた跡のようなものがあったので、昨夜、この柱から火が出て、消防士の人が消しに来たんだ、と...
不思議なお話

瞬間移動する蛍光管

これも私が三歳ぐらいのお話なので、キラキラしたものを見ていたときと同時期になります。これは夜や、昼寝などで、布団に入って横たわっている時に、時折見えたものです。形は角丸長方形にふたつの足(?)が、ついていて、それが細長い、今で言うLEDライ...
不思議なお話

部屋の隅に現れるキラキラしたもの

私が三歳ぐらいのお話です。その頃両親と三人で、長屋のようなアパートで暮らしていました。部屋は六畳の和室が二つ、あとは小さなキッチンとトイレ風呂があるだけという質素な間取りでした。一つがご飯を食べる部屋、そしてもう一つがテレビを観たり三人で寝...